カレン・カーペンター
カレン・カーペンターは、兄と二人でカーペンターズを結成し、イエスタテーズ・ワンスモアなど、数々のヒット曲を出しました。グラミー賞を3度、受賞するなど、70年代を代表する歌手にまで、なったものの、拒食症に苦しみ、32歳の若さで亡くなりました。
彼女は、もともとふっくらしたティーンエージャーでしたが,16歳頃、水ダイエット(一日、2リットル程、水を飲むことにより、基礎代謝の向上など体質改善方法をはかるダイエット法)で10キロ近くやせました。
その後、兄と音楽グループを結成し、70年代前半には、Close to You、スーパースターなど数々のメガヒット曲をとばし、一躍、人気歌手になりました。
74年にはホワイトハウスに招待されて、演奏を披露するなど、彼女の音楽活動はこの頃、絶頂となるものの、甲状腺ホルモン錠剤(代謝を亢進させ、体重を減少させる作用を有す)や下剤などを大量使用していて、拒食症が進んでいました。
75年には、体調不良が元で、ヨーロッパ・ツアーがキャンセルされるなど、彼女の健康状態は悪化していき、とうとう、ラスベガスでのコンサート中、Top of the World を歌っている最中に、倒れました。その頃の体重は、わずか、37、8キロでした。
この、事件を契機に、彼女は、深刻な健康問題を抱えていることを悟り、医師やカウンセラーを訪れるようになりました。
以後、音楽の方も、徐々にヒットが少なくなっていき、82年には離婚しましたが、その頃には、体重も7〜8キロ増加していて、拒食症は克服したものと思われていました。
しかし、長年の栄養不足、過剰な下剤の使用、睡眠不足などがもとで、心臓がすっかり弱ってしまい、83年にカリファルニアの両親の家を訪れている最中に心臓発作を起こして亡くなりました。
カレンの兄は、93年の雑誌のインタビューで、「妹がどうして拒食症になったのか見当もつかない」と語ってます。
拒食症は、スリムな肉体を賛美する現代文化の犠牲ともいえ、若い女性に多い病気です。食べればすぐ治ると、軽く見られがちですが、上記のように深刻な顛末を迎えることもすくなくない深刻な病気です。
彼女の死亡が伝えられる前は、拒食症は、世間的には、ほとんど知られていませんでしたが、カレンの死は、全米に衝撃をもたらし、一般の人にも、拒食症が広く知られ、拒食症専門の病院も設立されるようになりました。





コンビニエンスストアの深夜営業を抑制しようという動きが各地で起きている。地球の温暖化を食い止めるため、電力の消費を身近なところから減らそうという考えからだ。
47都道府県と17政令指定都市のうち10自治体が、深夜営業の自粛要請や強制的な規制を検討している。
これに対し、業界は「コンビニだけ規制するのは不公平」と反発している。たとえ16時間営業に短縮しても、日本全体のCO2排出量が1万分の1だけ減るにすぎないという。
24時間営業のコンビニは、なるほど現代の不夜城である。深夜でもひときわ明るい。夜型人間には便利なお店だが、夜型のライフスタイルを転換させれば青少年の非行防止にも役立つ、というのが自治体の狙いだ。
コンビニだけではない。街を歩くと自動販売機がズラリならんでいる。京都市などはこの規制もめざしている。炎天下で飲み物を冷やすのには電気をたくさん使う。
自販機は全国に400万台以上もあり、4人家族で190万世帯に相当する電力を使っている計算になる。
省エネ努力を重ね、自販機全体の消費電力を10年間で24%減らしたと自販機業界はいうが、それでも大きな使用量であることには違いない。
コンビニや自販機は便利だし、社会的な機能もある。女性や子どもが駆け込んで助けを求めたり、トイレを借りたり、コンビニは「街の安心拠点」になっている。災害時には無償で飲料を提供する自販機もあるそうだ。
しかし、便利で快適だからと現在のままの生活を続けていては、温暖化を止められないかも知れない。
そう思いながら夜の街を歩けば、省エネにつなげられそうなものが次々と目に飛び込んでくる。大音響が響き渡るゲームセンターやパチンコ店、やけに明るい歓楽街のネオン、24時間営業のレストランや飲食店……。
とはいえ、一律に規制するのは乱暴だ。社会的な機能を評価したうえで、利用者とサービスの提供者の双方が、例えば営業時間などの便利さや手軽さを少しずつ我慢して、生活のあり方を変えていく。そうした積み重ねで省エネの暮らしをめざしたい。
「おなじ遊星によって運ばれるわたしたちは、連帯責任を担っているし、おなじ船の乗組員だ」
「星の王子さま」の作者サンテグジュペリが「人間の大地」(山崎庸一郎訳・みすず書房)で書いた言葉だ。
化石燃料を燃やす人類一人ひとりの生活の結果が、地球の負荷になる。だれかが何かを我慢し、生活の形を変えて、地球の重荷を減らす。
難しいことだが、豊かな地球を子や孫に残すため一歩を踏み出さなければいけない。便利さを犠牲にしてでも。





放送デジタル化の道のりが険しくなるのは、むしろ、これからだ。
地上波アナログテレビ放送を完全にデジタル放送に切り替えるまで、あと3年
を切った。
だが、「今のアナログ放送で十分なのに」と思っている人も、なお少なくない。
国と放送業界は、デジタル化のメリットを国民に十分説明し、移行に伴う問題
にきめ細かく対応する責務がある。
テレビが視聴できない「電波難民」が出ることのないよう、しっかり目配りして
ほしい。
放送のデジタル化で、高画質のハイビジョン放送や、1チャンネルに複数の番
組を流すマルチ放送が可能になる。
さらに、電波の効率的な利用によって、携帯電話の新たなサービスや、災害
情報の充実などが期待できる。これらが、国がデジタル化を進める最大の理由
だ。
その一方で、これまでのアナログ放送は打ち切られ、多くの世帯でテレビの
買い替えなどの負担を強いられる。
投入される税金は、今後3年間だけで2000億円にのぼる見通しだ。
国内にある1億台のテレビのうち、地上デジタルを受信できるのは3500万台
を超えたが、残りの約3分の2は未対応だ。
学校など公共施設のテレビについては、まだ実態すらつかめていない。
全国的には、93%の世帯でデジタル放送が視聴できるようになった。
だが、残り7%は山間部や離島などの世帯が中心で、こうした世帯を完全デジ
タル化するには、1万局近い中継局が必要だ。
デジタル放送が始まっている都市部でも、多くの世帯はまだアナログ放送を
見ている。
マンションなどの共同アンテナの4割は、改修しないと完全デジタル化でテレ
ビが見られなくなる恐れがある。
国は、すべての都道府県に支援センターを設け、普及対策を強化する。
高齢者世帯への戸別訪問やアンテナ改修の協議などにも出向くという。
普及の前線部隊として、積極的に活動してほしい。
生活保護世帯には、電機メーカーが開発中の安価な簡易チューナーが無償
で配られる。
これを使えばアナログテレビを買い替えずにデジタル放送を視聴できる。
メーカーは商品化を急ぐべきだ。
テレビ局には、デジタルの長所を十分に生かした番組づくりを求めたい。
巨額の投資と手間をかけて得た新機能が、宝の持ち腐れになるようでは困
る。





公益法人改革
遅きに失したが、それでも手術は必要だ。
行政と密接な関係を持つ公益法人について、政府が見直しを進めている。
福田康夫首相は国からの発注業務などを洗い出し、公益法人への財政支出を
全体で3割削るよう指示した。
公費の無駄遣いをチェックするため政府が25日設置を発表した有識者会議
が、作業の監視にあたる。
所管官庁のOBが公益法人に天下りし、コスト意識が薄い随意契約で国から
業務を受注したり、補助金を受ける。
こんな構造がこれまでほぼ手つかずで温存されてきた。
国からの支出、天下り、公益性の三つの観点から監視を強め、中央官庁とのい
びつな関係を今度こそ是正すべきである。
公益法人は収益事業への法人税が軽減される。
06年10月現在、約2万5000あり、国所管法人は6776法人。
うち1974法人が国や独立行政法人から支出を受けている。
政府が重い腰を上げたのは、国土交通省所管の公益法人による職員旅行で
の道路特定財源の無駄遣いがきっかけだった。
道路関係法人は今後3年で現在の50法人を16法人に減らし、道路財源
(670億円)支出は半減されることになった。
それ以外の国所管の主要350法人も82法人に国発注事業の見直し、42法
人に随意契約から一般競争入札への移行を促すなどした。
ただ、350法人中、現段階で解散の方向が固まったのは2法人にすぎない。
首相は1974法人全体を見直し、国の支出の約3割(2900億円)を節約する
よう指示した。
しかしこれは積み上げた数字ではなく、よほど手綱を締めないと言いっぱなしに
終わる。
公益法人の業務請負が真に必要で効率的か、ゼロベースの点検が必要だ。
「官」と法人を「ヒト」で結ぶのが天下りだ。06年10月時点で国所管3049法
人に8054人もの所管官庁OBが理事として天下っている。
理事全体の3分の1超を天下りが占め、国の基準に抵触する法人も昨年7月時
点で166ある。
政府は新設する官民人材交流センター(新人材バンク)であっせんを一元化し
天下りの監視を図るが、「カネ」「ヒト」両面の規制が欠かせない。
公益法人については制度改革も進んでおり、既存の法人が優遇措置を受け
るには今年12月以降、有識者からなる「公益認定等委員会」に申請し、公益
性を新たに認定されることが必要となる。
所管官庁が許可権限を失う意味合いは小さくないが、新法人への移行まで、
なお5年の猶予期間がある。
国所管の法人で今回、政府が運用改善を促したものについては、新法人へ
の移行申請にあたり、無駄遣いを監視する有識者会議による事前審査を行う
べきではないか。
そのくらいの緊張感がないと、長年のぬるま湯体質は変わらない。





この連鎖を断ち切らねば
ただ、そこにいたというだけで、斉木愛さんは命を奪われた。これからの人生も、思い描いていたであろう夢も、一瞬にして断ち切られた。
なんということだろう。理不尽さに胸がつまる。
東京都八王子市の書店で、アルバイト中だった学生の斉木さんと客の女性が殺傷され、33歳の男が逮捕された。
動機の核心はまだわかっていないが、何よりも気になるのは、「最近あちこちで通り魔事件が起きており、刃物なら簡単に殺せると思った」という容疑者の供述だ。
無差別の殺人や未遂の事件は今に始まったことではない。昨年までの10年間で67件起きている。だが、今年は、茨城県のJR駅で8人が刃物で切りつけられ、東京・秋葉原の電気街では17人が殺傷されるなど、凶悪さの際だつ事件が続いている。
八王子で逮捕された男が言うように、こうした凶行が新たな事件の引き金になっているとしたら、とんでもない連鎖というべきだろう。なんとしても断ち切らなくてはならない。
一連の事件に共通しているのは、「だれでもよかった」「むしゃくしゃしていた」など、容疑者たちの言い分の幼稚さであり、身勝手さだ。それはいくら非難しても足りない。
だが、非難するだけでは、次の事件を防ぐことはできない。秋葉原の事件のあとにダガーナイフを規制する方針が打ち出されたが、家庭にある包丁まではなくせない。
特効薬がないとしたら、事件を誘発しそうな問題点や社会のひずみ、矛盾などをできるところから減らしていくしかあるまい。
まず考えたいのは、人間関係が希薄になっている世の中で、孤立感を深める人が増えているということだ。
仕事や生活でうまくいかないことがあっても、だれもが犯罪に走るわけではない。相談する人さえいれば救われることも多い。家庭や学校、職場で、人とのつながりが持てれば、犯行を思いとどまることもあるだろう。
二つ目は、人々が少しでも安定した暮らしを送れるような社会にできないかということだ。日本では高度成長期のような明るい未来像を抱きにくい。不安定な仕事だったり、極端に給料が安かったりすれば、なおさらだ。そんな状況が、自暴自棄になる人を生む一因になっているのかもしれない。
教育の取り組みも必要だ。どの事件の容疑者も、刃物を向ける相手への想像力に欠け、痛みに思いが至っていない。そんな人間をこれ以上生み出さないためには、命の大切さを幼いころから時間をかけて学ばせるしかない。
親も子どもの成績ばかりでなく、人間としての心が育っているかどうかに目を向けることが大切だ。





心臓病の10歳、絵手紙480枚
◇あふれる命の輝き
「おどれ おどれ 嵐のように」。鹿の姿で勇壮に舞う岩手県花巻市の「鹿踊(ししおどり)」を描いた絵手紙には、こんな言葉が添えられている。作者は心臓病「ファロー四徴(よんちょう)症」の滋賀県長浜市立長浜小5年、小川駿治君(10)=同市公園町。小学3年から週に数回、動植物などを題材に描き始めた。今では480枚を超え、郵便の集配係との交流も。力強いタッチの絵は、命の輝きにあふれている。
この病気は、左右の心室の壁に穴が開く▽肺動脈が狭い▽左心室から出るべき大動脈が右心室側にずれる▽右心室の肥大−−の4種類の奇形が合併しているのが特徴だ。
母真由美さん(42)は妊娠中から駿治君の成長が遅いと感じていたが、出産後間もなく、医師に「心臓が悪い」と告げられた。さらに1カ月検診で、肛門(こうもん)の位置がずれた「鎖肛」であることも分かった。
症状を改善するためには、左右の心室の間に壁を作る手術などが必要だが、ある程度成長しないと体力が持たない。血の巡りが悪く、大泣きも大笑いも、させられない。顔色は黒く、頻繁に発作が起きて意識がなくなる。真由美さんは、毎朝、駿治君が呼吸をしているかどうかを確認するのが習慣になった。
4歳になり、心室の間に壁を作る手術をすることができて心臓の負担が少し軽くなり、歩けるようになった。鎖肛も手術後、約1年間、真由美さんが棒状の器具や指で肛門の形を整えて改善に努めた。現在は、元気に地元の小学校に通っている。
学校には真由美さんが自転車で送迎する。徒歩通学は心臓に負担がかかるからだ。筋肉が付くと右心室が肥大化するため、ランドセルは空っぽ。教科書は学校に置いて帰り、家では兄(12)のお古を使う。
長時間の運動はできないが、体を動かすのは大好き。今年は月2回、前からやりたかった陸上クラブで五十メートル走やドッジボールなどを楽しむ。「駄目って言っても、つまらない。したいことをさせてあげたい」と真由美さん。学校側も病気の状況を把握し、サポートする。
絵手紙を始めたのは、小学1、2年時の担任だった佐分利(さぶり)ますみ教諭(53)を慕う強い気持ちによる。温かく見守ってくれ、時には抱きしめてくれる佐分利教諭が大好きで、3年で担任を外れたのが、さみしかったという。家族と相談して06年6月ごろ、佐分利教諭の自宅に蛍を描いた絵手紙を送った。それからは週に数回送るようになった。
題材は、花や野菜、夕飯のおかずなどさまざまだ。ナツズイセンには「暑いなんて言わないきみはエライ」、自転車には「夕焼け雲見て帰ろ」など、どの絵にも素朴な言葉が添えられている。佐分利教諭は「草木、花、鳥など身の回りの物すべてが友達のよう。届くと、しばらく、じーっと見てしまいます」と目を細める。
ある時、絵手紙を真由美さんと一緒にポストに投函(とうかん)しに行くと、集配係の女性から声を掛けられた。「配達を楽しみにしています。ない日はがっかりしてるよ」。駿治君はきょとんとしていたが、家で真由美さんから説明を受けると「すごいね!」と喜んだ。
駿治君は新聞の投稿欄にも、病気や佐分利教諭の事、集配係からほめられたときの気持ちなどを文章にして応募している。掲載されれば、多くの人に病気の事を知ってもらえるからだ。毎日新聞で駿治君の投稿を見た元教員の女性から「いろんなことにちょうせんしてたくさんの楽しいけいけんをしてください。そして、大きく、心も体も大きな人になってください。人の心をあたたかくうけとめることのできる人ってすばらしいと思います」と激励の手紙をもらったこともある。
佐分利教諭は「駿ちゃんは何もかもに精いっぱいで、一生懸命、生きている」と話す。今でこそ、大きな発作はなくなったが、疲れやすく、不整脈を起こすこともある。そのうえ、心臓病とは別に、成長ホルモンの分泌が不完全なため、毎日ホルモン注射をしている。病気との付き合いは日常そのものだ。
しかし、どんな状況でも駿治君は素直で、優しい。絵手紙には、小さな目を通した物事のありのままの姿が表現されている。
駿治君の絵手紙はいま、住宅メーカーに勤める父正博さん(44)の仕事場で展示されている。多くの人に見てもらいたいという駿治君の夢がかなった。私が「良かったねえ!」と言うと、駿治君は「うん」と、はにかんだ。駿治君がこれからの人生で出会う人や物、出来事をどんなふうに絵手紙や文章で表現していくのか、これからが楽しみだ。





厳戒の中国
北京五輪の開幕が近づく中で、中国南西部にある雲南省の省都昆明で2台の路線バスが爆破され、乗客2人が死亡した。中国当局は「人為的な破壊事件」としているが、背景は不明だ。五輪妨害を狙ったテロとの不安もよぎる。解明を急いでほしい。
事件前から、北京では警戒態勢がいちだんと強化されていた。空港はもちろん、鉄道や地下鉄の駅などでも厳しく持ち物検査をしている。少数民族や宗教、民主化などに関連したデモやテロを封じ込めようということだろう。
新疆ウイグル自治区政府は今月、中国からの分離独立をめざすウイグル民族の武装グループを摘発し、その際に5人を射殺したと発表したばかりだ。
各地で騒乱が続いている。強制立ち退きや少女死亡事件などきっかけは様々だが、役人への不信が底流にある場合が多い。特に警察への不満は大きい。失望した住民たちは北京に「直訴」に向かうため、各地の警察はこうした動きにも神経をとがらせる。
警備だけではない。
大気汚染や交通渋滞への対策も次々に打ち出された。周辺にある工場の操業停止、排ガス基準を満たさない車両の締め出し、ナンバープレートの奇数と偶数で分ける通行制限など、枚挙にいとまがない。
報道も統制される。五輪競技の模様は全世界に中継されるが、驚いたことに中国国内に限って、映像は10秒遅れで放映されるという。中国当局への批判や騒動など、国民に見せたくない場面が出てきたら、放映を止めたり、画面を切り替えたりするためだ。
五輪では前代未聞の措置である。いくら何でもこれでは、中国の特殊性が世界に印象づけられることになる。あくまで「全世界同時中継」でいくべきだろう。
五輪を国威発揚の舞台と位置づけ、何としても無事に成功させたいという中国政府や多くの国民の気持ちは理解できる。そのために必要な対策を講じるのは当然のことだし、選手や観客の安全と健康を守るのは中国政府の義務でもある。
だが、五輪対策として当局が懸命に対応しようとしている問題の多くは、今の中国が抱える課題の深刻さをそのまま映し出している。少数民族、汚職、治安、民主化、環境、自由……。五輪の開催期間をしのげれば終わりということではあり得ない。
五輪開催を経て、中国社会が次の発展段階に進むには、どれも乗り越えていかねばならない課題ばかりなのだ。中国の人々自らがそれを痛感しているに違いない。
テロなどのない、平和で楽しい五輪であってほしいと思う。同時に、中国の真価が試されるのは、五輪後であることを忘れてほしくない。





無駄ゼロが泣いている
官製談合で現職局長が逮捕されたのは、ほんの1カ月前のことだ。税金を使って職員用のマッサージチェアやカラオケセットを買い、批判を浴びたことも記憶に新しい。
そんな国土交通省をめぐって、問題がまた起きた。今度は公用車にかかわる談合の疑いである。
国交省が持つ公用車は、必ずしも職員が運転するわけではない。多くの場合、委託された外部業者の運転手がハンドルを握っている。この公用車の運転などの仕事を特定の業者が独占的に受注していたというのだ。
問題とされた各社は入札に先だって、どこが請け負うかを調整していた疑いがあるといい、公正取引委員会が立ち入り検査に入った。
相次ぐ談合にはあきれるが、今回はさらに首をかしげることがある。
業者のうち上位3社だけで、国交省からの仕事の9割を受注している。そしてこの3社には、国交省のOBが数多く天下っているというのだ。
どう考えても、これはおかしい。仕事をもらうかわりにOBを受け入れている。そんな「持ちつ持たれつの関係」にしか見えない。
OBがいることで仕事が有利になった面はないのか。談合の実態とあわせて、まず明らかにしてもらいたい。
国交省は癒着を疑われたくないのであれば、取引のある業界への天下りをやめるべきだ。
これに加えて指摘したいのは、そもそも公用車が多すぎるのではないか、ということだ。
国交省は道路整備特別会計からの支出で買った約1400台の公用車を全国約150の出先機関などで使っている。かつてたくさんいた職員の運転手が140人まで削減された一方で、車はどれだけ必要なのかが十分検討されないまま維持されてきたようだ。
幹部クラスの送迎のほか、交通の不便な工事現場へ出向く際などに使われているというが、実際には地元の市役所など、電車やバスで行ける場所への移動の足にもなっている。そうやって使ってもなお、1カ月の稼働が40時間といった例を聞くと、必要でない車がかなりあるとしか思えない。
さらに、こうした職員の移動に、なぜ運転手付きの車が必要なのか。民間企業では社員がみずから営業車を走らせるのが当たり前だ。
折しも政府・与党は、福田首相の「無駄ゼロ」の音頭で、各省庁の予算の見直しを進めている最中だ。自治体からも、地元にある国交省の出先機関のぜいたくな予算の使い方には疑問の声が出ている。
国交省に限らず政府のコスト意識は、民間とかけ離れている。こうした意識を根本から改め、身を切る姿が見えなければ、納税者は納得できない。





団塊世代と若者で支えよう
介護の現場が大きく揺らいでいる。働く人の低賃金や離職率の高さなどによって人手不足が常態化し、介護職場から悲鳴が上がっているのだ。
介護の危機的な状況を打開するために厚生労働省に設置された有識者による「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」が18日に中間報告をまとめた。現状を示したうえで、いくつかの提言を行っている。
介護事業所の調査によれば、訪問介護で75%、施設介護で56%の事業所で人手不足になっている。若年人口の減少や厳しい労働条件などが背景にある。
若い人の介護離れも深刻だ。短大や専門学校で定員割れが起きている。卒業しても介護分野に就職する率も低下傾向にある。同研究会の聞き取り調査では「学生が介護分野を志望しても、高校の先生や親が反対する」という声があった。普通高校の進路指導の先生の3割強が「迷っている生徒にあえて(介護の仕事を)勧めない」という。こういう現実に正面から向かい合わなければ、今起きている事態に対処はできない。
一方、離職率も全産業平均と比べて高い。離職者のうち勤続1年以内で40%、3年以内で75%が退職しているというから驚きだ。「待遇(賃金、労働時間)に不満」「結婚や出産など個人的な事情」「経営理念や運営への不満」が主な離職理由だ。勤続年数が違うので単純な比較は難しいが、一般の常用労働の平均賃金と比べると、男性介護者で12万円、女性で3万円低い。
問題が山積する介護労働の現場を、どのように改善していけばいいのか。同研究会は(1)人材の量と質を確保するために適切な介護報酬の改定(2)賃金制度、人事評価制度、夜間の人員配置など、雇用管理面での改善策(3)介護福祉士など資格を持っていながら介護分野で働いていない人の復帰支援(4)介護労働者の社会的評価を上げる取り組み−−などを提言している。
どれも簡単ではないが、すぐに取り組まなければならない。介護保険制度が人材不足によって崩壊する、そんなことがあってはならないからだ。
そこで、人手不足対策として、団塊世代の力を借りることを提案したい。定年でリタイアした人に、第二の人生を介護の現場で働いてもらうのだ。社会人としての経験や知識を若い人に伝え、自分の親世代の介護を共に支えてほしい。その際、働いた期間に応じてポイントカードを発行するのも一案だ。例えば、3年間働くと自分や家族が介護を必要としたとき優先的に施設が利用でき、介護サービスが受けられるようにする。介護分野に団塊世代が参入する動機付けとなる方策がほしい。これを若い人だけに介護を頼らず、世代を超えて支え合う仕組みを作るきっかけにもしたい。





東京の試みを生かそう
多額の税金を食いつぶした新銀行など、何かと物議をかもすことも多い石原都政だが、今回はひとまず拍手を送りたい。
2年後から大規模事業所に二酸化炭素(CO2)の排出削減を義務づける条例が定められた。排出削減の義務化は政府に先駆けた制度で、自治体としても全国で初めてである。
原油換算で年1500キロリットル以上のエネルギーを使う施設が対象で、デパートやテナントビル、ホテル、大学、工場など約1300にのぼる。
制度の大枠は次のようなものだ。
対象となる事業所の05〜07年度の平均排出量を20年度までに15〜20%削減させる。自前の努力で目標に達しない場合は、目標以上に減らした他の事業所から買い取って穴埋めできる排出量取引制度を組み入れる。
それでも最終的に目標に達しなければ、最高で50万円の罰金のほか、都が仲介して不足分を買い取らせる仕組みも考える。
企業なども徐々に温暖化対策に力を入れ始めている。いきなり罰金付きのノルマを押しつけられることに反発の声が上がるのは当然だろう。
しかし、CO2の排出削減は待ったなしだ。福田首相の提唱で、秋から国レベルで排出量取引の本格的な試行が始まる。洞爺湖サミットでも、G8が50年までにCO2などの温室効果ガスの半減を世界の長期目標として共有することに合意した。
CO2排出量の伸びが目立つビルを多く抱える東京が削減の先頭に立つ意味は大きい。ここは各事業所が知恵を絞って目標を達成すべきだ。
もちろん、課題もある。
大型テナントビルの場合、削減義務を負うのはビルの所有者だ。ビルの施設や機器をいくら省エネ型に変えても、ビルの入居者が使い放題では目標達成は危うい。都は入居者の協力も義務づけているが、具体的にどう入居者を巻き込んでいくか。
それぞれの事業所の削減率をどのように設定するかも難しい。これまで削減を進めてきたところと放置してきたところに一律に数値目標を課すのは公平ではない。このため、都は努力してきた事業所に対しては、削減率の基準とする年度を選ばせることなどを検討している。極力、事業所が納得できるような工夫を求めたい。
この制度が実際に始まれば、手直しの必要も出てくるだろう。政府が同じような制度に踏み切った場合、調整も必要になってくる。一方で、都の試みには、政府にとって参考になる点もたくさんあるはずだ。都の後を追って事業所に削減義務を負わせようという自治体が出てくるかもしれない。
国内では先駆的な東京の試みを、日本の温暖化対策の起爆剤にしたい。





デストロイヤー
かつて日本のプロレスファンを沸かせた覆面レスラー、ザ・デストロイヤー=本名・リチャード・ベイヤー=さん(78)。15年前に引退し、その後はどうしているのだろう。元チャンプは、米国の故郷で水泳を教えながら、青少年の日米交流に人生の後半戦をかけていた。【ニューヨーク州北部アクロンで小倉孝保】
ニューヨーク市から飛行機で約1時間20分。ナイアガラの滝に近いバファロー空港につくと、腰をややかがめた白髪の老人がつえを右手に待っていた。「ザ・デストロイヤー」と書いたトレーナー。デストロイヤーさんは素顔だった。
「9・11(米同時多発テロ)で、覆面のまま空港に入ることはできなくなった。へたすると逮捕だからね」。しかし、日本に行けば今でも白マスク。歯医者でも脱がない。「空港でもマスクOK。みんな『あっ、デストロイヤーさん』ってあいさつしてくれる」。今回の撮影もマスク姿で、が条件だった。
空港から車で約30分。老マスクマンは今、人口3000人の小さな町アクロンに妻ウィルマさん(75)と暮らす。5月2日に左ひざを手術、つえが手放せない。「悪いけど、きょうは4の字固めは無理だよ」。つえにはニック・ボックウィンクルやリック・フレアーといった昔のレスラー仲間のサインがあった。
初来日は1963年。故力道山、故ジャイアント馬場、アントニオ猪木の3氏と戦った珍しい外国人レスラーだ。「リキは(自分が戦った中で)最もタフなレスラーだった。ババは最も賢いレスラー。そして、トニー(猪木)は最高のテクニックを持っていたね」
15年前に日本で引退。今は公立アクロン中央学校(小学〜高校)でレスリングや水泳を教えている。そのため、地元ではスポーツ指導者として有名だ。取材中、あちこちから、「コーチ、コーチ」と声がかかった。
旧日本軍による真珠湾攻撃が11歳の時。「子どものころ、日本はひきょうな敵国だった」。しかし、日本人と出会ってそのイメージは変わった。「力道山と戦う悪役だったのに、日本人はみんな私に敬意を示してくれた。すぐに日本が好きになった」。全日本プロレスの日本陣営に参加していた6年間、2男1女を日本で育てた。本人は日本語を話さないが子どもたちはぺらぺらだ。
デストロイヤーさんは今年11〜12月に水泳部の高校生22人を日本に連れて行き、日本人スイマーと交流させる計画だ。必要な旅費、宿泊費計5万ドル(約530万円)を集めるため、高校生と一緒にホットドッグを売ったり、バーベキューパーティーを開いている。「アクロンの子どもたちは世界を知らない。自分たちと違う文化があることを子どもに教えたい」
約20年前、自宅のある土地(34万4000平方メートル)周辺にサクラを植えた。「春にはきれいな花が咲きます」と話すウィルマさんの横でデストロイヤーさんは歌った。「♪サクラ〜、サクラ〜」。元レスラーによる青少年の日米交流もいずれ、大きな花をつけるはずだ。





振り込め詐欺が多発しているため、関係機関が対策強化策を打ち出した。
警察庁と法務省は、金融機関と連携してATM(現金自動受払機)が利用される“水際”での被害防止に力を入れる。お年寄りらが多額を送金しようとしていたら職員らが注意し、聞き入れられない場合は警察官の出動を要請、警察官が説得したり、振込先の口座を凍結して被害を防ぐ。一方、サングラスやマスクなどで素顔を隠した者による現金引き出しを禁じ、犯行グループ側に金が渡りにくくする。ATMの1日の利用限度額を引き下げることなども金融機関側に要請する方針だ。
携帯電話各社も犯行に携帯電話が使われることを重視し、契約時に購入者の本人確認のため警察に運転免許証の照会を依頼することなどを決めた。施策はいずれも市民の自由を制限したり、負担を増やすことにつながるが、被害の甚大さを考慮すればやむを得まい。
警察庁によると、昨年の被害は約1万8000件、約251億円に及び、さらに今年は昨年の約1・6倍のハイペースで推移している。最近4年間の被害額が1000億円を突破、暴力団の資金源になっていることなどを勘案すれば、被害者の個人責任で片づけず、社会問題として取り組んでいかねばならない。
振り込め詐欺は核家族化や高齢化を背景とし、携帯電話やATMの普及に乗じる形で多発している。親族をかたり、不安につけ込む“オレオレ詐欺”が広がったため、模倣犯が増え、手口を巧妙に変化させながら犯行を重ねているらしい。最近は社会保険事務所や税務署の職員を装って還付金を支払うと持ちかける“還付金詐欺”が急増したため、被害が一段と拡大した。
お年寄りが狙い撃ちされるのが深刻な問題で、身近に相談相手がいれば防げた被害も少なくない。続発する事件の情報が周知徹底されていない面もあり、警察や金融機関、地方自治体などの広報はまだまだ不十分だ。先月施行された振り込め詐欺被害者救済法についての説明も不足しており、インターネットを使った公告方法などがお年寄りに親切なものとも言い難い。
お年寄りと別居している家族が、意思疎通を深める努力も求められる。今年の高齢社会白書は60歳以上の高齢者と独立した子との接触頻度が、諸外国より低いと指摘している。子と会ったり、電話をする回数が「週に1回以上」というお年寄りは約47%にすぎないが、米国では80%を超す。逆に「年に数回」しか接触がないのは約16%で、米国の3倍以上だ。
親子が疎遠なため気軽に相談ができなかったり、アカの他人からの電話を簡単に信じてしまうところはないか。振り込め詐欺の続発は世相の投影と認識し、幅広い観点から対策を講じる必要がありそうだ。





学習指導解説書 「竹島」明記は遅いぐらいだ
国の将来を担う子どもたちに、自国の領土や歴史についてきちんと教えていくことは、学校教育の重要な責務だろう。
中学校社会科の新学習指導要領の解説書に、韓国が領有権を主張している竹島について、日本の領土であると教えるよう初めて盛り込まれた。
竹島は、歴史的にも国際法上も我が国固有の領土である。それが日本政府の立場だ。
日本の領土として、北方4島は、指導要領や解説書に加え、地理と公民の中学教科書全14冊に書かれている。竹島も4冊に記述があり、今回、解説書に記載されたのは遅すぎたぐらいだ。
解説書に入れる方針が報じられた後、韓国の李明博大統領は懸念を伝え、韓国国会も日本固有の領土と明記しないよう決議した。
解説書では、「竹島は我が国固有の領土」という直接的な表現を避けている。
「北方領土は我が国固有の領土」として的確に扱うよう求めたうえで、竹島も「北方領土と同様に我が国の領土・領域について理解を深めさせる」とした。その際、竹島は日韓間に主張の相違があることに触れるよう求めている。
韓国への配慮だろう。韓国政府は駐日大使を一時帰国させる方針を示すなど反発を強めているが、冷静な対応を求めたい。
竹島は、遅くとも江戸時代初期の17世紀半ば以降、日本が領有権を確立し、1905年、閣議決定を経て島根県に編入された。
ところが、サンフランシスコ講和条約が発効する直前の52年、当時の李承晩大統領が突然、日本海に「李承晩ライン」を設け、竹島を韓国領域内に入れて以降、不法占拠を続けている。
韓国は、北朝鮮の核廃棄や拉致問題解決のため、密接に連携していかねばならない隣国である。
だが、領土問題はもちろん、国民にどういう教育をするかは、国の主権にかかわる問題だ。外交上の配慮と、主権国家として歴史や領土を次世代に正しく伝えていくこととは、次元が異なる。
解説書は指導要領と異なり、法的拘束力がないが、出版社の教科書編集や授業の指針となるだけに、意義は小さくない。解説書の趣旨を踏まえ、出版社はわかりやすい記述を心掛け、教師もしっかり指導していかねばならない。
竹島の領有権をめぐる問題の解決は難しい。だからこそ、国民が正しく理解し、国際社会に日本の立場を明確に主張していけるようにすることが大切だ。





天下りと受注の悪循環を断て
公益法人が官僚の天下りを受け入れ、見返りに国の事業を好条件で受注する。そんな悪循環を断ち切らねばならない。
福田首相が、政府から公益法人への年間支出計約9600億円を3割削減するよう指示した。行政の無駄遣いを根絶する施策の一環で、無駄を監視する有識者会議も月内に新設する。
首相の指示は、政府が支出している1974公益法人のうち、各府省と関係が密接な350法人の集中点検を踏まえたものだ。
点検の結果、82法人の国発注事業を見直すことにした。42法人は事業の随意契約を全面的に一般競争入札に移行させる。53法人の組織を縮減し、2法人は解散する。80以上の法人で役員報酬や役員数を抑制・削減する、という。
長年、指摘されていた各府省と公益法人との「持ちつ持たれつの関係」の見直しが、ようやく緒に就いた。本来は、もっと早く実施すべきだった。両者の関係に徹底してメスを入れる必要がある。
「効率化のために国の仕事を外部発注したのに、かえって高コストになった事例がある」。そんな指摘が自民党からも出ている。
本当に必要な事業なのか。費用は適正か。もっと効率的な手法はないか。各府省は、事業を一つ一つ吟味し、「3割削減」の実現に向けて、より踏み込んだ見直しに取り組む必要がある。
今回の改革は、国土交通省所管の公益法人による道路特定財源の無駄遣いの発覚がきっかけだ。5年間で33法人の職員旅行に4億円近くを支出していた。
道路特定財源の主な支出先の50法人では、常勤役員の4分の3を国交省OBが占める。各法人が、国の事業の受注を期待し、天下りを受け入れてきたのは明白だ。
国交省は4月、必要性の低い事業の中止などの見直し案をまとめた。支出先は50法人から16法人に減少する。年間支出約673億円も半分以下に節減される。
こうした改革を、国交省にとどめず、政府全体に広げようとするのは、当然の判断である。
事業や契約の削減は、天下りの是正と連動する。事業を減らされた法人は、今ほど多くの天下りを受け入れなくなるからだ。各府省も、本音では天下り先を確保しておきたいはずだ。自主的な事業の見直しには限界がある。
新設される有識者会議には、外部の視点で、より大胆な改革を各府省に促すことが求められる。有識者の人選と会議の事務局の充実が重要となるだろう。





もったいないおばけを覚えていますか?
皆さんは「もったいないおばけ」を覚えていますか?
幼い頃にテレビで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。それは今から20年ほど前に流れていたAC公共広告機構のCMで、日本昔話風にこんな話が語られます。
寺の和尚さんがこどもたちを晩ご飯に呼んでくれました。
しかし、子供達は大根や人参やお魚など、嫌いな食べ物を残してしまいます。
ところがその夜、子どもたちの前に大根やにんじんのおばけが現れて口々にいいます。
「もったいねぇ〜」
「もったいねぇ〜」
子供たちは怖がって、野菜を残したことを謝ります。
次の朝、和尚さんは「それは『もったいないおばけ』というものじゃよ」と子供達を諭します。それからというもの、子どもたちは食べ物の大切さを知り、ごはんを残さず食べるようになりました。
私も幼い頃、「もったいないおばけがでるよ」と言われ、給食や夕食を残さないように頑張ったものです。日本人は「もったいない」という言葉を使って、いろいろなものを大切にしてきたのです。
ふろしきで「もったいない」を再び!
「もったいないおばけ」のCMから時は経て、日本経済はバブル期を迎え、やがて飽食の時代に突入します。私たちはやがて「もったいない」という言葉をあまり使わなくなりました。
ところが今、日本人独特の「もったいない」という表現が、世界で脚光を浴びているのです。もったいないブームの火付け役は、2004年にノーベル平和賞を受賞したケニアの環境副大臣・ワンガリ・マータイさん。マータイさんはグリーンベルト運動と呼ばれる植林事業で知られているエコロジスト。その彼女が日本独特の「もったいない」という言葉を見直し、世界に広めたことで、今や「MOTTAINAI」は世界共通語になりつつあります。
環境問題に取り組む人や企業が提唱するのが「3R活動」。3Rとは消費削減(Reduce)、再使用(Reuse)、資源再利用(Recycle)の3つのRの頭文字をとったもの。ものを大切にする「もったいない」という言葉には3Rの精神がこめられていて、マータイさんは深い感銘を受けたそうです。
そしてマータイさんが感銘を受けたものがもうひとつあります。それが「ふろしき」なのです。
恐るべし万能バッグ「ふろしき」
「ふろしき」はその名のとおり、室町時代に風呂に敷いた布ということからその名がついたそうです。
ふろしきは大きな一枚布で、包んだり、結んだりすることで、いろいろな形のものを持ち運べる万能バッグ。日本では古くは奈良時代から使われていたそうです。
現在私たちが日常買い物をするときには包装紙やレジ袋を使いますが、これは一度使い終わるとゴミになってしまいます。しかしふろしきの場合は一枚の布を何度でも再利用できます。布製なので破れにくく、たたんで持ち運べば場所もとりません。急に荷物が増えてもふろしきを取り出して包めば即席バッグの出来上がり。セカンドバッグとして重宝します。運び終えたらまたたたんでしまえば、収納にも場所をとらないというすぐれもの。元々が一枚の布なので、形も変幻自在。結び方や包み方の達人になれば、包むものの大きさや形を問わず使えます。平らなもの、本、雑誌、果物、野菜、ワインや日本酒…どんなものでも持ち運びできる万能バッグとして使えるのです。
上級テクとしては、外出中に冷え込んだ時に羽織って防寒着にしたり、マフラー代わりにしたりもできます。
こうして見ると、ふろしきは世界に誇るべき日本の文化だと思えてきます。
エコかっこいい!現代版ふろしき
そうはいっても「ふろしき」でしょう?かっこわるい!そんなの持ち歩くのは恥ずかしい…と尻込みしてしまうそこのあなた!気持ちはよーく分かります。
ふろしきのイメージの定番といえば、緑地に唐草模様、昔の泥棒さんが持っていたレトロなイメージのアレですよね。逆に言えば、泥棒がふろしきを持って盗みに入ったということは、それだけ収納能力に優れてるということですが、bag=鞄がわりに持ち歩こうというのなら、かっこよくてオシャレでなくてはイヤですよね。
例えば京都・和文化研究所「むす美」の風呂敷は伝統芸術・和織物としてのふろしきの美しさで魅せてくれます。奥様にお土産を持って帰る時には、可憐な花柄のふろしきで包むことで豪華な印象に。また、ふろしきは目隠しにもなります。会社のデスクの上が書類でいっぱい、でも片づける前に会議が入っている…そんな時には男らしいきりっとした和柄のふろしきをかぶせておけば、清潔なデスクに早変わり。
デキる男なら注目したいデザイナーズふろしきが美濃部株式会社の「ARCHITEXTURE」。日本を代表する建築家5組がデザインした新感覚のふろしきはもはや最先端のアートです!
こんなに多彩!ふろしき包みのいろいろ
日本人が長い間伝統的に愛用してきたふろしき。その歴史の中で、様々なふろしき包みが編み出されてきました。これもまさに文化の賜物。日本風呂敷協会のHPでは風呂敷包みのいろいろが紹介されています。
もっとも一般的なおつかい包み、結ばずに包む礼儀正しい包み方・平包み、上品なかくし包み、長方形のものを包むのに適したふたつ包み、円形のものを包むのに便利な巻き包み、丸い物を包むために編み出されたすいか包み、ワインや日本酒をラッピングするように包むびん包み、慶弔に用いるふくさ包み、お弁当箱でおなじみの花びら包み、ティッシュカバーになるティッシュ包み、等々。よく使われるものでも、これだけのバリエーションがあり、それぞれに独特の美しさがあります。真結びと蝶結びが基本の結び方となりますが、それぞれの詳しい結び方は風呂敷専門店こざくらのHPで見ることができます。
エコかっこいいふろしきbag。使い方も見せ方もあなた次第。あなたも楽しみながらふろしきbagを取り入れてみませんか?





エコカー開発
燃費がよく、二酸化炭素(CO2)の排出量を抑えたエコカーの開発競争が熾烈(しれつ)になってきた。
競争の先行き次第で、世界の自動車業界の勢力図が塗り替わる可能性がある。技術力を誇る日本メーカーにも、生き残りをかけた正念場となる。
最近、世界で人気を集めているのが、ガソリンエンジンと電気モーターを併用したトヨタ自動車のハイブリッド車、プリウスだ。
ガソリン1リットル当たりの走行距離が約36キロ・メートルと、世界最高水準の燃費性能を誇る。97年の発売からの世界累計販売台数が今春、100万台を突破した。
ホンダもハイブリッドのシビックを発売し、エコカーの先行グループを形成している。
北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)では、地球温暖化対策が焦点になった。CO2の抑制は今や、世界的な課題だ。ガソリン価格も高騰しており、燃費性能が高い車の需要が高まっている。
自動車各社が、エコカーに競って注力するのは、そうした背景があるからだ。
焦点は、トヨタを追うライバル各社がどう巻き返すかだ。
ホンダは、ハイブリッド車の年間販売目標を50万台とし、生産車種を増やす計画だ。新型燃料電池車の生産にも力を入れる。
日産自動車と三菱自動車は、リチウムイオン電池で動く電気自動車の開発に重点を置き、独自戦略でトヨタを追撃する構えだ。
日本勢に出遅れた米ゼネラル・モーターズ(GM)や、独フォルクスワーゲンなどの欧米企業も、エコカー開発を急いでいる。
これに対して、トヨタは、2010年代の早い時期に、ハイブリッド車を年間100万台販売する計画を決めた。家庭用電源で充電できる「プラグインハイブリッド車」も2010年に投入し、リードを守る戦略を立てている。
次世代エコカーで、どのタイプが主力になるか予測できない。競争はさらに過熱しそうだ。
その一方で、エコカーの普及には課題も多い。ハイブリッド車や電気自動車の価格はまだ高額で、本格的に売り上げを伸ばすには、大幅な値下げが必要だ。
技術革新と量産化を通じ、割安感のあるエコカーを早期に売り出すことが望まれる。電気自動車に使うリチウムイオン電池の発火を防ぐ安全対策も重要だ。
電気の充電スタンドなどのインフラ整備も遅れている。スタンド業界などと協力し、政府の一定の支援も必要だろう。





魅力ある地域の病院作りを
産科、小児科を中心として医師不足に歯止めがかからず、地域医療が崩れつつある。国も有効な対策を打ち出せずにいるが、一方で魅力ある病院には若い医師が積極的に赴任しようとする傾向も見られる。行政の支援ももちろん必要だが、病院の側が地域の住民も巻き込んで、活力ある病院作りに努力することも解決の一助になるだろう。
本紙が5、6月に実施した調査では、全国各地の中核的な病院の約62%が、2007年度までの4年間に「医師の確保が難しい」という理由で、診療体制を縮小していることがわかった。その後、復旧できたのは9.7%だけで、大半は元に戻せないでいる。特に内科、産科、小児科で目立ち、診療科そのものを廃止した病院もおよそ2割あった。
国もこれまでの「医師数は充足している」との考えをようやく転換し、6月には医学部の定員増や、増えている女性医師への就労支援などの対策を打ち出した。しかし一連の政策が現状の医師不足に対しすぐに効果を発揮することは望めない。
こうした中で最近、医療関係者の間で注目されている病院がある。兵庫県丹波市にある県立柏原(かいばら)病院だ。小児科医が辞めていく危機に地元の主婦たちが立ち上がった。軽い病気でも医師にかかるという「コンビニ受診」によって医師に負担をかけるのをやめようと、市民への呼びかけを広めていった。この結果、辞めようとした医師もとどまり、さらにこの春以降、3人の小児科医が新たに赴任した。こうした動きに共鳴したからだという。
若い医師が行きたくなる病院は、症例数が多い、優秀な指導医がいる、といったことが条件になると言われている。それも必要ではあるが、最近では「病院内にとどまらず、積極的な在宅医療や開業医との連携ができる」「看護師など他の職種との連携がとれたチーム医療が実施されている」「しっかりとした病院医療の方向性がある」などの理由も増えてきた。地域住民にも受け入れられ、ゆとりある地域医療を経験したいということだろう。柏原病院に限らず若い医師が希望する地方の病院は少なくない。厳しい環境の中で、病院の努力も求めたい。





「ボトム・ビリオン」という言葉がある。最底辺の10億人。1日1ドル未満の収入で暮らす途上国の最貧困層のことだ。世界人口の6分の1を占める。
原油や食糧の高騰の波が、日本をはじめ世界に広がっている。途上国の農村や都市スラムで生きるボトム・ビリオンの人々にとっては、これは自らと家族の生存にかかわる、文字通りの脅威である。
洞爺湖サミットを締めくくる記者会見で、福田首相は「世界規模の課題が切実な形で人々の生活に影響を与えている」と述べた。原油や食糧の高騰、インフレ、温暖化といった課題の深刻さを語ったものだ。
しかし、サミットでの3日間の議論や膨大な宣言文書は、ボトム・ビリオンの人々の心にどこまで響くものだったのか。どれだけの救いを発信できたのか。主要8カ国の首脳といえども万能でないのは当然だが、この問いかけの重さをかみしめざるを得ない。
食糧高騰の対策として、G8は1兆円以上の緊急支援を表明した。だが、それが届く間にも小麦やトウモロコシの価格は上がり、援助の実際の量は減っていく。現地で増産しようにも、肥料や種子の値段も急騰している。
原油高騰では、もっと救いがない。産油国への生産拡大要請や、消費国と産油国との対話といった項目が並んだが、即効性はいかにも乏しい。
これでは、内外の援助組織などから厳しく批判する声が上がったのも無理はない。原油や穀物相場が沈静化に向かう兆しは見えない。
途上国といっても、中国やインド、ブラジルなどの新興国は成長軌道を駆け上がっている。ボトム・ビリオンの多くは、経済グローバル化の波に取り残され、停滞し、状況が悪くさえなっている国々に暮らす。アフリカやアジアの一部、中央アジアなどだ。
ゼーリック世銀総裁は、世界を覆う複合的な経済危機を「人災」と呼ぶ。バイオ燃料への穀物の転用や農業国の輸出規制が大きいという意味だろう。投機マネーの存在もある。だが、最貧困層にとっては、手の届かない所から降ってきた天災のようなものだ。
NGOや研究者はこうした経済を「カジノ資本主義」とみなし、投機マネーの規制や、穀物を使ったバイオ燃料の生産禁止を求めた。しかし、サミットからのまともな返答はなかった。
先進国側が貧困対策に不熱心であったわけではない。累積債務解消や援助増を呼びかけ、ここ数年はとくにアフリカ問題での取り組みを強めてきた。
食糧や原油高騰は新しい貧困層を生んでいる。社会の底辺からの不満は途上国の安定を揺るがしかねない。グローバル化から落ちこぼれた人々の苦境にどう手を差し伸べるか。先進国は具体策を模索し続けなければならない。





教え子に何と説明するのか?
教員に採用されるのも管理職になるのも、金次第ということなのか。大分県で次々に出てくる教育界の腐敗ぶりには、あいた口がふさがらない。
小学校長らが自分の子を採用するよう県教育委員会の幹部らに頼み、現金や金券を贈る。幹部は採用試験で得点を水増しする。
さらに驚いたことに、県教委ナンバー2の元教育審議監が10人前後の受験生の名前を部下に示し、「合格ラインに入れろ」と指示していたというのだ。県教委ぐるみで不正工作をしていたと言われても仕方がないだろう。
採用だけではない。管理職への昇任試験で便宜を図ってもらうため、県教委幹部に金券を渡したと言って、教頭らが警察に出頭した。腐敗の広がりは目を覆いたくなる。
100万円の金券を受け取ったという元教育審議監をはじめ、逮捕者は「先生」と呼ばれる人ばかりである。教え子たちにどう顔向けするのか。
大分県警は徹底した捜査で不正にかかわった人たちを明らかにし、ウミを出しきってほしい。そうしなければ、子どもたちの信頼を取り戻せない。本来なら合格できた人は納得できないだろうし、逆に実力で合格した人がいつまでも疑惑の目で見られることにもなりかねない。
教育界にとって深刻なのは、今回の底なしの不正が大分だけの特殊な事情によるとは思えないことだ。
教員の採用にからみ、1990年に山口県で、2年前には大阪府で汚職事件が摘発されている。金のやりとりまでは確認できないにしても、採用にあたって古手の教員に口利きをしてもらうという話は各地でしばしば聞く。
その背景には、県教委という教員中心の閉鎖的な組織で、採用から人事まで一切を取り仕切っている現実がある。この仕組みは「教育の独立」に配慮したものだが、やりたい放題の不正を許してきた温床ともいえる。
今回の事件を受けて、大分県教委は採用試験を県人事委員会との共同実施に改めることを決めた。この際、一般の県職員や県警職員と同じように教員の採用も人事委に任せたらどうか。
さらに採用や人事を透明にするためには、教員の不正採用疑惑を警告してきたNPO法人「おおいた市民オンブズマン」などの外部の第三者の目を活用することを考えてもいい。
大分県教委では採用試験の答案は年度末までしか保管されない。08年度採用の分も残っておらず、いまとなっては不正工作を検証するのは難しい。少なくとも数年間は保管すべきだ。
採用や人事を公正にするのは、優秀な教員を集め、教育の質を高めるために欠かせない。全国の教育委員会は大分の事件をひとごとと思わず、足元を見つめ、改善策を進めてもらいたい。





金で買われた「教員」の地位
大分県で教員不信を助長する不正が、次々と明るみに出ている。
膿(うみ)を出し切り、早急に信頼回復を図らなければばならない。
小学校教員の採用試験で、小学校長らが自らの子どもを合格させるよう県教
育委員会幹部らに頼み、現金や金券をやり取りした贈収賄容疑で逮捕された。
受け取った幹部の1人は、県教委で教育長に次ぐ立場の元教育審議監で、
退任後も市教育長という要職にあった。
ほかの逮捕者も、県教委の課長級の参事や小学校の校長、教頭だ。
保護者から、「ルールを守るよう指導する人間の犯罪を子どもたちにどう説明
するのか」と憤りの声が上がるのも、当然だろう。
地方教育界の組織的な不正は、20年近く前にもあった。
教員採用をめぐって、1990年に山口県の教育事務所長が賄賂(わいろ)を受け
取っていたことが発覚した。
その際、小中学校の校長3人や市教育長らも贈賄罪で略式起訴された。
また、2年前に大阪府教委で非常勤講師の採用に絡み、6年前には富山県教
委で人事異動に絡み、汚職が摘発されている。
だが、教訓は全く生かされていなかった。今回はより深刻だ。
まず合格点に満たない者の点数を水増しし、合格させていたことである。
本来なら合格していたはずの受験者には許し難い不正だ。
水準に満たない“教員”の最大の被害者は、教わる児童である。
さらに問題なのは、校長や教頭の管理職任用試験でも疑惑が浮上している
ことだ。
ほかに、小規模校の校長が県教委の参事に異動が決まった後、現職の教育
審議監に「あいさつ」名目で金券を贈っていたことが判明している。
金券などを贈ることが常態化していた可能性もある。
大分県警は徹底解明してほしい。
県教委は今回の事件を受け、改善策をまとめた。
教員採用試験を県の一般職員の採用に当たる県人事委員会と共同で実施
する形にしたが、まだ不十分だ。
文部科学省が毎年、各都道府県と政令市の教委から受けている報告では、
20教委が評価の観点や方法など採用選考基準を公表しているが、大分県は
入っていない。悪弊を断ち切る対策が必要だ。
他の教委も、「他山の石」として自らの足元を点検すべきだ。
教育界では様々な教員の資質向上策が出されているが、教育者にふさわし
い能力と意欲を備えた人材を適正に選ぶことが先決だ。
文科省も県教委任せではなく、対策を練らねばなるまい。





まだ戦後の混乱が続く1949年、大阪・道頓堀に木造2階建ての食堂「大阪
名物くいだおれ」が開店した。
翌年、創業者は客寄せを狙って電気仕掛けの人形を店先に置く。
首を振りながら太鼓をたたく「くいだおれ太郎」だ。
高度成長の波に乗り、数々のアイデア商法も当たって店は繁盛する。
59年には、当時は珍しかった冷暖房完備の鉄筋コンクリート9階建てのビル
を新築した。
太郎もテレビや雑誌で紹介されて有名になる。
そのくいだおれが明日店じまいし、59年間の歴史に幕を下ろす。
4月に閉店が発表されてから、太郎は一躍、「時の人」となる。
名残を惜しむ客が店に押し寄せ、イベントに引っ張りだこだ。
引き取りの申し出も殺到しているが、落ち着き先は決まっていない。
人気の秘密は、まず太郎のお笑いのセンスだ。
阪神タイガースが優勝争いをした92年には、過激なファンに道頓堀川に投げ
込まれるのを恐れ、「わて、泳げまへんねん」の吹き出しと浮輪や水中眼鏡を
付けた。
こうした世間の騒ぎさえ宣伝に利用するノリが受けた。
かつての道頓堀を懐かしむ人々の思いも、太郎ブームを後押しする。
江戸時代から「五座」と呼ばれた芝居小屋でにぎわってきたが、次々と姿を消
し、今ではカラオケ店やパチンコ店が並ぶ。
これでは日本中どこにでもある繁華街と変わらない。
ピエロのような衣装を着た太郎は、グリコの大看板や「かに道楽」の動くカニと
ともに、派手な格好やパフォーマンスで笑いを取って客を呼ぼうとする大阪商法
のしたたかさを象徴する。
その一つがなくなる今、太郎だけでも「現役」を続け、上方商人の精神を受け継
いでほしい。




